NEWS
NEWS
ニュース一覧
2026/03/14
企業アカウントは「属人化」させるべきか?社員が出演するメリット・デメリット
はじめに:「企業ロゴ」をフォローするTikTokユーザーはいない
TikTokのアカウントを立ち上げる際、最初の会議で必ず議論になるのが「誰を動画に出すか?(顔出しするかどうか)」という問題です。
結論から言うと、TikTokというプラットフォームにおいて**「特定の社員(キャラクター)を立てる属人化」は、最短でアカウントを伸ばすための最強のブースター**になります。
なぜなら、TikTokユーザーは「無機質な企業ロゴ」や「ただの商品」とコミュニケーションを取りたいわけではなく、「その企業で働いている面白い人」や「有益な情報を教えてくれる専門家」に親しみを感じてフォローボタンを押すからです。しかし、企業として属人化を採用するには、相応の覚悟とリスク管理が必要です。
1. 属人化(社員の顔出し)による3つの絶大なメリット
まずは、なぜ多くの企業がこぞって「社員Vlog」や「社長アカウント」を作るのか、そのメリットを見ていきましょう。
① 圧倒的な「親近感」と「ファン化」
人間は、顔が見えて声が聞こえる相手に対して無意識に親近感を抱きます。「〇〇株式会社のアカウント」ではなく、「〇〇株式会社の田中さん」として認知されることで、コメント欄でのコミュニケーションが活発になり、エンゲージメント(いいね・保存・シェア)が劇的に向上します。
② 採用活動(HR)における強力な武器になる
求職者が最も知りたいのは、「どんな人たちと一緒に働くのか?」というリアルな社風です。現場の社員が自らの言葉で語り、和気あいあいとした雰囲気を動画で見せることで、入社後のミスマッチを防ぎつつ、母集団形成(エントリー数の増加)に直結します。
③ BtoBにおける「信頼の担保」になる
「顔を出して堂々と発信している」こと自体が、企業への信頼に繋がります。特に専門的なノウハウ(SaaSツールの使い方やコンサルティング知見など)を語る場合、実在の社員が解説する方が、テキストやアニメーションよりも圧倒的に説得力が増します。
2. 企業が直面する「属人化」の致命的なデメリット
一方で、特定の社員に依存する運用には、企業として無視できないリスクが伴います。
① 最大の恐怖「退職リスク」
これが属人化の最も致命的な弱点です。アカウントの看板となっている社員が退職・異動してしまった場合、視聴者は「田中さんがいなくなったなら、もう見ない」と離れてしまい、アカウントが事実上機能停止に陥るケースが多発しています。
② 担当者への「精神的負担」と「評価制度の不在」
顔を出して不特定多数に発信をすれば、当然アンチコメントや心ない言葉を浴びるリスクもあります。また、「動画はバズっているのに、本来の営業成績が落ちて社内で評価されない」といった事態が起きると、担当者は燃え尽きてしまいます。
③ 企業ブランドとの「乖離リスク」
その社員の個人的な不祥事や、SNSでの不適切な発言(炎上)が、そのまま企業全体のイメージダウンに直結してしまいます。
3. リスクを最小限に抑える「第3の選択肢」
「属人化のメリットは欲しいが、リスクは避けたい」。そんな企業におすすめなのが、以下のハイブリッドな運用体制です。
解決策A:複数人キャスト(チーム)体制にする
1人の社員に依存するのではなく、3〜4人の「SNSチーム」を結成し、日替わりや企画ごとにメイン演者を変える手法です。アイドルグループのように「箱推し(チーム全体のファン)」を作ることができれば、誰か1人が抜けてもアカウントへのダメージを最小限に抑えられます。
解決策B:「顔出しなし」の属人化(POV・音声のみ)
顔を出さなくても属人化は可能です。「手元だけを映した作業風景」に「同じ担当者の声(ナレーション)」を乗せ続けることで、「いつもこの声の人が教えてくれる」というキャラクター性を確立できます。担当者が変わっても、声のトーンや編集のフォーマットを統一すれば、視聴者の離脱を防ぎやすくなります。
解決策C:インハウスではなく「外部クリエイター」を起用する
自社の社員を出せない場合、TikTokに精通した外部の役者やインフルエンサーと長期契約を結び、「公式アンバサダー(企業の顔)」として出演してもらう方法です。退職リスクや社内評価の悩みを金銭的な契約でクリアできます。
まとめ:演者を「会社の資産」として評価できるか
属人化はハイリスク・ハイリターンな戦略です。もし自社の社員をTikTokの「顔」として起用するのであれば、それは片手間の業務ではなく、立派なマーケティング・広報活動です。
「SNSでの貢献を、社内の人事評価にどう組み込むか」「アンチコメントがついた時、会社としてどう担当者を守るか」。 カメラを回す前に、まずは演者となる社員と会社の間で、これらのルールをしっかりと握り合うことが、属人化アカウントを成功させる最大の秘訣です。
